本人が判断能力を有している間に、将来自分の判断能力が低下してしまった場合に備えて、自分の保護者となる人を選び、その保護者にどのような代理権を与えるかを契約によって定め、実際に判断能力が低下した時にその契約の効力を発生させて、後見事務を行なってもらいます。あらかじめ「この人にお世話になりたい」と思う人を選んでおかないと、お世話になりたくない人が、後見人に選任されてしまう恐れもあります。

代理権目録具体例

  1. 動産、不動産等、所有するすべての財産の管理、保存および処分に関すること
  2. 金融機関、郵便局、証券会社とのすべての取引に関すること
  3. 各種保険契約(共済含む)の締結、変更、解除、保険金の受領に関すること
  4. 定期的な収入の受領、これに関する手続き等
  5. 定期的な支出を要する費用の支払い、これに関する手続等
  6. 葬儀、埋葬、納骨、永代供養等に関する交渉、費用の支払い等
  7. 以上に関連する一切の行為

このような内容を、お元気なうちから将来どのような代理権を与えるか、あらかじめ決めておくことができます。

そして、任意後見契約には3つのタイプがあります。

〈移行型〉

現在まだ、判断能力はあるが、財産管理などのサポートが必要な場合、任意代理契約を結び、財産管理等を行います。任意後見契約の時に、財産管理等の契約を結び、一部の委任については、スタートさせておく契約です。判断能力が低下してからすべてを委任するのではなく、あらかじめ一部の委任を受けていれば、お互いのことを理解することができ、ゆくゆくは安心して後見人を任せることができるのではないでしょうか。

〈将来型〉

今のところ、判断能力に問題はないが、任意後見の契約を結び、将来、判断能力が低下したときから後見が開始されます。定期的に訪問たり、連絡を取ることで本人の生活状況を見守り、必要があれば後見の申立てをすることになります。

〈即効型〉

任意後見の契約を結び、直ちに後見を開始する申立てをします。すでに軽度の判断能力の低下があり、何らかのサポートが必要な場合に結ぶ契約です。ただし、すでに判断能力が低下しているので、任意後見の契約を結ぶ判断能力があることの確認が必要となります。